刑事判例

無期3人、死刑2人 2人射殺事件で最高裁判事割れる

http://www.asahi.com/national/update/0222/TKY200802220316.html 福島県いわき市で03年、同じ暴力団の関係者2人を射殺して約30万円を奪ったなどとして一審、二審とも無期懲役とした。 検察側の上告に対し、涌井、泉徳治、横尾和子の3裁判官の多数意…

孫の貯金横領の祖母の刑、免除せず 最高裁 後見人悪用

http://www.asahi.com/national/update/0221/TKY200802200449.html 今回の決定では、未成年後見人の立場を利用し、10代の少年の預貯金など約1500万円を流用したとして業務上横領罪に問われた少年の祖母(73)について上告を棄却した。決定は18日付…

不正アクセス行為の禁止等に関する法律8条1号の罪と私電磁的記録不正作出罪との罪数関係(最高裁平成19年8月8日第二小法廷決定)

判例時報1987号159ページに掲載されていました。オークションに絡んで、ヤフーのサーバコンピュータに不正アクセスされた、という事案で、原審は大阪高裁ですが(平成19年3月27日判決)、原審段階で、ここには現れていない問題があるということ…

広島市暴走族追放条例に関する最高裁判決

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20070919#1190162546でコメントしましたが、判例時報1987号150ページに掲載されていました。 判例時報のコメントでも、「本条例は、規制対象を過不足なく記述するという立法技術的観点からは、その配慮に欠けた甚だ拙劣…

ATM・暗証番号等盗撮目的での銀行支店出張所立ち入りと建造物侵入罪の成否(積極)など

判例時報1986号156ページに、最決平成19年7月2日が掲載されていました。 ポイントは2点で、上記の点と併せ、ATM・暗証番号等を盗撮するためのビデオカメラを設置したATMの隣にあるATMを、一般客を装い相当時間にわたり占拠し続ける行為…

預金通帳等を第三者に譲渡する意図を秘して自己名義預金口座の開設等を申し込み預金通帳等の交付を受ける行為と詐欺罪の成否(積極)

最高裁平成19年7月17日第三小法廷決定ですが、判例時報1985号176ページに掲載されていました。このような態様の行為が、1項詐欺罪に該当すること自体は特に問題ないと以前から思っていましたが、判例時報のコメントでも指摘されているように、…

取り調べ時の警官備忘録「裁判証拠」 最高裁も開示命令

http://www.asahi.com/national/update/1226/TKY200712260330.html 決定で第三小法廷は、05年11月に始まった公判前整理手続き(期日間整理手続きを含む)での証拠開示制度が、争点整理と証拠調べを有効で効率的に行うために導入されたことを重視。開示の…

東京高裁、存在不明確な警察官メモを開示命令

http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/071214/trl0712141936007-n1.htm 弁護側は、被告が自白調書の内容について否認していることから、「調書の任意性を否定する内容が記されている可能性がある」として、警察官が調書を作成した際に書き留めた可能性の…

無罪外国人拘置認める 最高裁要件提示『有罪の疑い強い』必要

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2007121502072277.html 決定は「控訴審の審理開始前でも、一審無罪の被告を拘置できる」という過去の最高裁判例を踏襲したが、一方で要件として「一審段階で拘置するときよりも有罪の疑いが強くなければ…

判決要旨 マンションへの政党ビラ配布

http://www.chugoku-np.co.jp/NewsPack/CN2007121101000527_Detail.html以前、1審の無罪判決について、http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20060828#1156731480とコメントしましたが、やはり、控訴審では有罪になりましたね。こういったパターンが、裁判員が関与…

「検察官不在で判決!女性裁判官が被告を呼び戻しやり直し」

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20060825#1156503311でコメントした事件ですが、その後、最高裁で判断が示され、決定(平成19年6月19日・第二小法廷)が、判例時報1977号159頁に掲載されていました。 上記のコメントで、私は、 判決宣告が一応存…

「捜索中、届いた荷物に覚せい剤…無罪主張を棄却」

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20070210#1171062565でコメントした最高裁決定(平成19年2月8日・第一小法廷)ですが、判例時報1980号161頁に掲載されていました。 判例時報のコメントが、なかなか鋭いところを突いていて(突けるような人が書いて…

未必の故意でも共謀成立=最高裁が初めて明示−不法投棄で業者の有罪確定へ

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2007111600800 相手が不法投棄するかもしれないと思いながら有害物質の廃棄を依頼した場合に、廃棄物処理法違反罪が成立するかが争われた刑事事件の上告審で、最高裁第3小法廷(近藤崇晴裁判長)は16日までに、「未…

有罪立証、状況証拠も同じ=最高裁が初判断示す

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2007101800819 状況証拠だけで有罪とするには、直接証拠よりも高度な立証が必要かが争われた刑事裁判の上告審決定で、最高裁第1小法廷(泉徳治裁判長)は18日までに、「可能性として、被告が犯人ではないことを示す…

女性撮影で逆転有罪 衣服の上からも「卑わい」

http://www.chunichi.co.jp/s/article/2007092501000647.html 今年3月の旭川簡裁判決は「被害者の後ろ姿全体を撮影しようとした可能性も否定できない」として無罪(求刑罰金30万円)としたが、札幌高裁の矢村宏裁判長は「撮影画像を見れば、尻を狙って撮…

暴走族の集会規制した広島市条例は「合憲」 最高裁

http://www.asahi.com/national/update/0918/TKY200709180368.html 結論は5裁判官のうち堀籠裁判長と那須弘平、近藤崇晴の両裁判官による多数意見。藤田宙靖、田原睦夫の2裁判官が「条例は違憲」とする反対意見を述べた。 第三小法廷は「規定の仕方が適切…

大証元副理事長の有罪確定へ=最高裁が初判断−仮装売買事件

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070713-00000111-jij-soci 最高裁第一小法廷(甲斐中辰夫裁判長)は13日までに、「株価ではなく、出来高だけの操作でも相場操縦に当たる」との初判断を示し、被告側の上告を棄却する決定をした。 一審の無罪判決を破棄…

盗撮目的の銀行出張所立ち入り、建造物侵入罪成立

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070704-00000900-san-soci 一般客と変わらない形態での店舗などへの立ち入りは建造物侵入罪に当たらないとする学説もあるが、決定で才口裁判長は「盗撮目的の立ち入りが銀行支店長の意思に反することは明らかで、立ち入…

スピード違反測定装置の「誤差」訴訟、高裁に差し戻し

http://www.asahi.com/national/update/0423/TKY200704230238.html 検察側は、装置は実際の速度よりも低い数値になる「マイナス誤差」しか生じないと主張したが、二審判決は「プラス誤差がないという客観的な裏付けがない」とし、測定値が正確とは認められな…

体感器使用は窃盗 パチスロメダル取得 最高裁初判断

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070417-00000024-san-soci 第2小法廷は決定理由で、体感器の使用について「通常の遊戯方法の範囲を逸脱しており、パチスロ機を設置している店舗がそのような遊戯を許容していないことは明らか」と判示した。 この種の…

玄関ドアは「建造物」=「機能も考慮」と基準示す−損壊罪成立で初判断・最高裁

http://www.jiji.com/jc/c?g=soc&k=2007032400057 最高裁第1小法廷(甲斐中辰夫裁判長)は24日までに、「建造物といえるかどうかは、建物との接合の程度のほか、機能上の重要性も総合考慮して決めるべきだ」との初判断を示した。 その上で、玄関ドアにつ…

捜索中、届いた荷物に覚せい剤…無罪主張を棄却

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070209i311.htm?from=main3 指宿教授のブログ経由で知りました。http://imak.exblog.jp/5099028/ 横尾裁判長は決定で、「捜索令状を提示した後に搬入された荷物についても、同じ令状で捜索出来る」との初判断を示…

国選弁護に「空白期間」 控訴し高裁に記録着くまで

http://www.asahi.com/national/update/0117/TKY200701170447.html 弁護人は地裁、高裁など「審級」ごとに選ばれる。高裁の場合、地裁から記録が送られてから新しい弁護人を選ぶことになる。ところが現在、地裁のチェックを経て高裁に記録が送られるのは平均…

「訴因変更でも、刑訴法254条1項に準じ、公訴時効の進行が停止するとした最高裁判決」

http://d.hatena.ne.jp/okaguchik/20061125/p10ボツネタで紹介されていましたが、かなり重要な判例ではないかと思います。 今、手元に資料がないので、記憶だけで書いていますが、訴因が不特定な起訴があった場合に時効停止を肯定した最高裁判例があったと思…

「刑訴法328条により許容される証拠は厳格な証明が必要とした最高裁判決」

http://d.hatena.ne.jp/okaguchik/20061109/p10専門的な話になってしまいますが、刑訴法328条で証拠能力が認められる証拠について、「自己矛盾」供述(簡単に言うと、ある人物が、異なる機会に矛盾した供述をしているという証拠)に限られるか、それに限…

刑変更でも判決破棄せず 最高裁「見直す余地ない」

http://www.tokyo-np.co.jp/flash/2006101101000865.html 窃盗罪の刑は今年五月施行の改正刑法で「10年以下の懲役」に「50万円以下の罰金」が加えられた。また刑訴法は1審判決後、刑の変更があった場合、その判決を破棄しなければならないと規定してい…

「孫連れ去り、実刑は酷」 最高裁が「温情」猶予判決

http://www.asahi.com/national/update/1012/TKY200610120420.html以前、http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20060625#1151197955でコメントした事件です。記事では、「温情」とあり、 第一小法廷は「親族間の紛争で、将来的な解決の道筋なども勘案しながら、刑事…

札幌の3歳孫娘連れ去り、祖父母の実刑見直しへ

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060621i414.htm?from=main4 1、2審判決などによると、両被告は離婚した二女や孫娘と同居していたが、2001年11月、二女が孫娘を連れて札幌市内で交際相手と同居を始めたため、二女の自宅に押し掛け、孫娘を…

わいせつ画像MO所持、バックアップ用も違法・最高裁

http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20060518AT1G1802Z18052006.html奥村弁護士のブログhttp://d.hatena.ne.jp/okumuraosaka/20060518/1147920685でも紹介されていましたが、こういった場合に「販売目的」が認められるかどうかについて、これまで最高裁の…

医師の派遣は「職務行為」 奈良医大汚職で最高裁

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20060126#1138248792とコメントしたものですが、判例時報1922号168頁に掲載されていたので、一通り読んでみました。コメントも詳細で参考になります。 注意すべきだと思ったのは、問題となった大学における医局の実態等…