鈴木貫太郎と言えば、昭和天皇の「聖断」を引き出し日本を終戦に導いた救国の首相ですが、本書は、存命の孫娘である著者から見た鈴木元首相を描いたものです。
親族でしかわからない、家庭内の元首相の姿も紹介され、なかなかおもしろく読むことができました。
鈴木元首相が、226事件で死亡していれば、日本のあの時点での終戦はなく、本土決戦が行われ、膨大な死傷者が出て、日本は朝鮮半島のような分断国家になっていたかもしれません。その意味では、ちょっとした偶然が、日本を救うことになったと言えるかもしれません。
文書も読みやすく、終戦当時のことを知る上での入門書的な読み方もできると思います。