「捜索中、届いた荷物に覚せい剤…無罪主張を棄却」

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20070210#1171062565

でコメントした最高裁決定(平成19年2月8日・第一小法廷)ですが、判例時報1980号161頁に掲載されていました。
判例時報のコメントが、なかなか鋭いところを突いていて(突けるような人が書いている、ということでもありますが)、

1 捜索実施中に他の場所から捜索すべき場所に持ち込まれ、被告人が所持・管理するに至った物について捜索を行ったとしても、新たな住居権・管理権の侵害を生じるものではなく、新たな令状を必要とする理由はない
2 捜索差押許可状の効力に関し、令状呈示の時点において捜索場所にある物に、その効力が限定されるという規定はなく、そのように解する根拠も見出し得ない
3 令状呈示の趣旨は、執行を受ける者に裁判の内容を知らせる機会を与え手続の明確性と公正を担保し裁判に対する不服の機会を与えることにあり、令状呈示という行為自体に、呈示の時点に捜索場所に存在するものに許可状の効力を限定する機能は存在しない(処分を受ける者が不在の場合は令状を示さずに執行着手が可能ということからも明らか)

と指摘され、根拠としては、上記の3点に尽きているのではないか、と思いました。