http://www.asahi.com/national/update/0221/TKY200802200449.html
今回の決定では、未成年後見人の立場を利用し、10代の少年の預貯金など約1500万円を流用したとして業務上横領罪に問われた少年の祖母(73)について上告を棄却した。決定は18日付。懲役3年執行猶予5年の有罪判決が確定する。
一、二審判決によると、少年の母が病死したため、祖母が01年に未成年後見人に選任され、母が残した財産を管理していたが、03年までにこれを着服。福島家裁が異例の告発をした。
弁護側は「法は家庭に入らず」という考え方に基づく「親族相盗」の規定により、祖母の刑は免除されると主張。第一小法廷は、未成年後見人は親族かどうかにかかわらず、財産を誠実に管理すべき法律上の義務を負っていると指摘。刑法上の処罰は免れないと結論づけた。
親族相盗例というのは、刑法で、
(親族間の犯罪に関する特例)
第244条
1 配偶者、直系血族又は同居の親族との間で第235条の罪、第235条の2の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯した者は、その刑を免除する。
2 前項に規定する親族以外の親族との間で犯した同項に規定する罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
3 前2項の規定は、親族でない共犯については、適用しない。
とされているもので、窃盗だけでなく、上記の記事にある業務上横領罪等の財産犯にも準用されています。
この規定は、記事にもあるように、「法律は家庭に入らず」という考え方によるものとされていますが、裁判所に選任された後見人については、親族関係以上に、公の制度に基づくその地位が優先されるべきであり、記事にあるような犯罪は、法律は家庭に入るべきではない、という考え方を適用すべき場面とは、そもそも言えないでしょう。
祖母に、大切な財産を横領されてしまった少年のその後が気になります。