医師の派遣は「職務行為」 奈良医大汚職で最高裁

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20060126#1138248792

とコメントしたものですが、判例時報1922号168頁に掲載されていたので、一通り読んでみました。コメントも詳細で参考になります。
注意すべきだと思ったのは、問題となった大学における医局の実態等を具体的に認定した上で(収賄側の大学教授の、実質的かつ広範囲な決定権が認定され、医師派遣の最終決定権が、単なる医師派遣にとどまらず、「その教育指導の上でも、また、将来の救急医学教室の教員等を養成する上でも、重要な意義を有していた。」と位置づけられています)、「以上の事実関係の下で」、職務密接関連行為という認定がされていることでした。
今後、従来の医局等の在り方が変われば(既に変わっているところもあるかもしれませんが)、類似の事例があっても、この判例を、抽象的、機械的にあてはめることはできず、この判例で摘示された事実関係を十分参考にしないと、先例として使えないでしょう。