暴走族の集会規制した広島市条例は「合憲」 最高裁

http://www.asahi.com/national/update/0918/TKY200709180368.html

結論は5裁判官のうち堀籠裁判長と那須弘平近藤崇晴の両裁判官による多数意見。藤田宙靖田原睦夫の2裁判官が「条例は違憲」とする反対意見を述べた。

第三小法廷は「規定の仕方が適切でなく、条例が文言どおりに適用されると、規制の対象が広範囲に及び、憲法上問題がある」と指摘。そのうえで「全体から読み取れば規制対象は暴走族のほか、服装、旗、言動などにおいて暴走族に類似し、社会通念上同視できる集団に限られる」と限定的に解釈し、「合憲」とした。
藤田裁判官は「表現の自由は最大限保障されなければならない。条例は粗雑で、最高裁が強引な解釈をして合憲とすることには重大な疑念がある」と改正を求めた。田原裁判官も「多くの市民に対し、限定解釈の枠を超えて適用される可能性があると萎縮(いしゅく)的に行動させる効果をもたらしかねない」と指摘した。

3対2の僅差である上、合憲としつつも規制の仕方が不適切と指摘されていて、違憲に限りなく近い条例であった、と言えると思います。
最高裁は、合憲限定解釈の手法を採ったようですが、この種の人権に関わる規制法令については、田原裁判官が指摘する「萎縮効果」ということを重視すべきでしょう。一般国民は、専門知識もなく、最高裁のように「全体から読み取って」規制対象が暴走族やそれと類似、同視される集団に限られる、と読み取ることは極めて困難で、だからこそ、この種の曖昧、不明確な規制法令には断固として違憲の烙印を押し、適切な改正等を促す必要がある、と私は思います。
5名中、2名の裁判官が違憲と判断したことを、重く受け止めるべき判例ではないかと思います。