付添人選任届の追完が認められなかった事例

最高裁第三小法廷平成24年5月1日決定で、判例時報2163号145頁に掲載されていました。少年保護事件で、抗告審で付添人に選任されていなかった弁護士が、付添人選任届がないまま再抗告申立をして、申立期間経過後に付添人選任届を提出したという事情の下で、再抗告申立は、追完により適法にはならない、という判断が示されています。
付添人の選任は審級ごとにするとされていて(これは刑事事件も同様ですが)、そのような中で、上記のような追完は、やはり認められない、ということにならざるを得ないでしょう。判例時報のコメントによれば、本件で再抗告申立をした弁護士は、家裁段階で付添人であった、とのことで、その当時の付添人選任届が有効という思い込みがあったのかもしれません。
こうした、イレギュラーな手続をする際には、肝心の、代理人、付添人、弁護人、といった資格の有無については、慎重に確認しておく必要があると、自戒しつつ感じました。