http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2914974/9935791
「真実を告げる者、意味付けをする者、解説する者」としての記者の役割は、「(単に)交換可能な情報源(としてのみの扱い)に切り縮められるものではない。我々には、(ある特定の人物や団体にとって)報道されたくないことを伝える記者が常に必要だ」とした。
研究ではまた、ソーシャルメディアやブログ、クラウドソーシングなどの登場が、これまでの報道では不可能だった部分にプラスの影響を与えていると指摘している。
その例として、国際テロ組織アルカイダの(Al-Qaeda)の最高指導者、ウサマ・ビンラディン(Osama bin Laden)容疑者の殺害が最初に報じられたのは、作戦を目撃したパキスタン人ITコンサルタントのツイッター(Twitter)投稿がきっかけだったことや、2011年の東日本大震災による地震や津波の被害の全体像をより提供したのはソーシャルメディアだったことを挙げた。
ソーシャルメディアや個人のブログ等により、様々な情報がリアルタイムでインターネットを介して拡散する状況になっていて、既存のメディアが持っていた機能に、一見、取って代わるかのような様相を呈してはいますが、ソーシャルメディア等は、「存在する」「目に見える」情報には対応できても、隠れた、暴くべき情報には対応困難です。上記の記事にもあるように、そういった、鋭く切り込んで行く役割は、プロの記者でなければ無理でしょう。
また、膨大な情報が乱れ飛ぶ状況で、情報の真偽、確度を分析したり、評価する、といった作業は、その道の専門家であればできますが、専門としての仕事の片手間でやるには限界があります。やはり、専門性のある人々が集まり、より専門性の高い人々に助力を求めながら、情報を分析、評価しつつ伝える、という、既存のメディアの役割は、変容することはあってもなくなることはないでしょう。
そういった重要な役割を、確固たる収益モデルを見出しながら、今後も果たすことが、既存のメディアの課題であり、困難ではあってもやり遂げなければならないと思います。