判例時報2105号11頁以下に掲載されていました。
上記のような弁護士会照会に対し郵政事業会社が「信書の秘密」を理由に拒絶したことについて、判決では、住居所に関する照会の限度で、報告義務が守秘義務に優越すると判断し、この種の信書、通信に関する弁護士会照会に関する回答の在り方として、参考になる判断を示しています。
また、上記のような不法行為による損害賠償請求については、弁護士やその依頼者を損害の主体と認める裁判例と、認めない裁判例の双方がある中、本判決では否定説に立っていて(判例時報のコメントでは積極説はいずれも地裁判決で、否定説の中の1つが大阪高判)、この種の訴訟を提起しようとする場合、十分に検討しておくべき判決であると言えるでしょう。