隠し撮り:ズボンの女性の尻撮影も有罪 最高裁が上告棄却

http://mainichi.jp/select/today/news/20081113k0000e040037000c.html

道条例は他都府県の条例と同様に「公共の場所で人を著しく羞恥(しゅうち)させるような卑わいな言動」を禁じている。小法廷は「被告の行為が『卑わいな動作』であることは明らかで、被害者を著しく羞恥させるもの」と指摘した。
5裁判官のうち田原睦夫裁判官は「着衣した尻は乳房などに比べ性的意味合いは低く、それを見る動機もさまざま。撮影行為自体に卑わい性は認められない」と指摘。客観的に著しく羞恥させる行為とは評価できないとして、「被告は無罪」と反対意見を述べた。

この事件については、高裁判決の際に、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20070928#1190940199

で、

「卑わいな言動」という文言は、曖昧さを含み、どこまでが「卑わいな言動」と言えるか、は問題でしょう。撮影行為自体は通常の態様で行われても、撮影対象故に「卑わいな言動」に該当する、ということになると、処罰の範囲がどこまで及ぶのか、どこで線を引くのか、といったことが今後も問題になって行くことが予想されます。

とコメントしたことがありましたが、田原裁判官の反対意見は、そういった問題を強く意識しているのではないかと推察されます。
そもそもの立法趣旨を考えると、客観的、外形的に「卑わいな動作」があるが故に、それが公共の場所における行為であるからこそ、それにより「人が著しく羞恥する」ところに処罰根拠が求められているはずで、今後、各都道府県にある同種条例の解釈上、処罰範囲が無制約に拡大する恐れが憂慮されます。