被害女性は示談金2000万円を拒否していた…元俳優・新井浩文被告 初公判で無罪を主張

被害女性は示談金2000万円を拒否していた…元俳優・新井浩文被告 初公判で無罪を主張(FNN.jpプライムオンライン) - Yahoo!ニュース

被告は冒頭、低く落ち着いた声で「まずは、被害者に謝罪の言葉を言いたいと思います。本当にすみませんでした」と頭を下げて謝罪したが、起訴内容については「暴力は一切やっていません」と否認した。
さらに、同日の公判では被害女性が証言し、事件当日の詳しいやりとりが明らかになったが…

 別の記事で、被害者の証言を紹介したものを読みましたが、暴行が、明確、強烈なものにはいたっておらず、被告人による一連の行為を全体的に評価して、当時の具体的な状況(照明が消されていたこと、被害者が抵抗しにくい体勢にあったことなど)も併せ見て、「反抗を著しく困難にする暴行があった」という認定に基づく起訴であろうと推測されました。

ただ、客観的にそのような暴行であったかは、やや微妙なものも感じられましたし、被告人が、性交へ向け、徐々に攻勢を強めていき、それに対し、被害者があらがう、そのやりとりの中で、被告人が同意ありと誤信したとする、その弁解を完全に排斥しきれるかにも、やや微妙なものが感じられました。

刑法の立法者意思は、反抗できるのにしない貞操は、強姦罪(強制性交罪)の保護には値しないというものだったと思われます。同意のある性交と強制性交罪が成立する行為の間に、同意がない、しかし、畏怖、困惑等により抵抗が難しかった、ただ、反抗が「著しく」困難だったかについてはグレーな、処罰されていないゾーンが生じ、そこが処罰の間隙になっているのが現状でしょう。

最近、話題、問題になっている無罪事件は、おそらくそのゾーンと強制性交罪が成立するつラインの境目辺りにあるものと推測されます。

そういう処罰の間隙が生じてしまっている現状を放置するのではなく、諸外国の立法例も参考に、新たな構成要件を作るなどして合理的に埋める必要があるでしょう。

ただ、そういう状態にない現状で、上記の事件については、今後、犯罪の成否がシビアに争われることになります。