迷惑防止条例違反の疑いで男逮捕 女児に「唾くれ」

http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011061401000711.html

警視庁によると、女児から唾をもらう行為をみだらな行為として立件したのは全国初。

逮捕容疑は、昨年10月から11月、東京都小金井市などのマンション敷地内や路上で、帰宅途中の当時小学5年の女児(10)ら3人に「唾の研究をしているから、くれないか」と声を掛け、フィルムケースに吐き出させ、ビデオ撮影した疑い。

東京都迷惑防止条例では、5条1項で、

何人も、人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、人を著しくしゆう恥させ、又は人に不安を覚えさせるような卑わいな言動をしてはならない。

とされて処罰の対象となり、常習犯はより重く処罰されますが、上記の記事にあるような行為が、「卑わいな言動」と言えるかどうかでしょうね。
思い出されるのは、

隠し撮り:ズボンの女性の尻撮影も有罪 最高裁が上告棄却
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20081113#1226553249

で、その事件では、田原裁判官の反対意見があったものの、女性の臀部を撮影する行為について、最高裁は「卑わいな言動」と認定しました。
処罰の対象となる行為である以上、行為者の主観面を問題にする前に、まず客観的に、社会通念に照らし、卑わいな言動と認定される必要があると思われますが、唾を吐きださせビデオ撮影するという行為は、ほめられたものとは言えないものの、上記の最高裁の判断を前提としても、卑わい性について、かなり微妙なものがあるのではないかという気がします。卑わい性について、「上品ではない」といった、あまりにも広すぎる解釈をすれば、上品ではないものは、あらゆるものが取締り、処罰の対象になりかねず、どこかできちんと明確な線を引いておく必要があり、その意味で、この「唾はき」事案は、懸念を感じるもので、今後の行方を注視する必要があるでしょう。