司法試験合格・私の場合

合格したのは昭和61年で、既に20年も前のことになってしまいましたが、ブログで自分の昔話をすることがあってもよいと思うので、少し昔話を。
結局、大学4年の時に合格しましたが、これは良い方向での「想定外」で、自分自身は、卒業1年目か2年目(卒業せず留年すれば5年生か6年生)で合格できればいいな、と思っていました。大学4年生で合格できるとは思っていませんでしたが、ただ、4年生での受験時に、各科目について、何とか全体をカバーする程度までは勉強して、一応、勝負できる状態には持って行きたい、と思っていました。それで、大学3年時の、特に秋以降、かなり無理をしたわけです。
大学3年時の秋の時点で、翌年へ向け、答練を受けたり、既に受講していた予備校の講義(憲法民法、刑法の論文向けの講座)を受けつつ、全体を何とかまわすための計画を立てたのですが、商法、訴訟法(私の場合は刑訴法)までで手一杯(と言うよりも絶対的な時間不足)なのに、それに加えて、法律選択科目(私が選択したのは刑事政策)、当時はまだあった教養選択科目(私が選択したのは社会政策)になると、一体、どこで勉強すれば?という状態で、途方に暮れる気持ちでした。結局、刑事政策は、答練が休みになる年末年始に、集中的に勉強することにして(紅白歌合戦を横目で見ながらノートを作っているような状態)、社会政策は、択一後、論文試験前に、何とか勉強する、という状態でした。こういう状態でしたから、絶対的な勉強不足状態と言っても過言ではなく、そのことは、自分自身、強く自覚していたことを思い出します。ただ、幸いなことに、何とか予定はこなすことができ、そういう状態で択一、論文と進むことができて、運が良かったこともあり(予想していた論点が出題された等)、何とか合格にこぎつけたわけです。かなり自分で自分を追い込んだという状態で、肉体的にも精神的にもきつかった、というのが実感で、他人にはとてもお薦めできるようなものではありませんでした。
こういった私の経験に照らすと、法科大学院の未修者には、6年から7年程度の勉強期間が必要ではないか、という米倉先生の提言も、実感として理解できるものがあります。しかし、勉強期間が伸びればそれだけお金もかかり(特に現在の法科大学院にあっては)、また、目的が達成できなかった場合の進路変更も困難になるのは明らかで(特に学部卒業後に入る法科大学院にあっては)、現実問題としては難しいでしょう。
私の意見としては、法曹養成の第1次機関は法学部とした上で(法科大学院は法曹に対するより高度な教育機関として存続)、実質、6年制として運用し、他学部出身者は3年時から編入(少なくとも4年はみっちりと勉強する)という体制が良いのではないか、と考えています。人によっては、6年、あるいは4年経過以前に合格することになりますが、それはそれで成果が早期に出た、ということで、基本は上記期間在籍して勉強、ということでどうか、と思っています。