21年司法試験 合格率初の4割超え 最年少合格者は18歳

21年司法試験 合格率初の4割超え 最年少合格者は18歳(毎日新聞) - Yahoo!ニュース

合格者は男性1026人、女性395人で、平均年齢は28・3歳。最年少は18歳、最年長は69歳だった。18歳の合格者は新試験が始まった06年以降で最も若く、法科大学院を修了せずに受験資格を得られる「予備試験」に合格していた。

私が司法試験(旧司法試験)に合格したのは昭和61年ですが、当時は、合格者の平均年齢が28歳代というのがかなり問題視されていて、若年層でも合格できる試験にすべきだという議論がされていたことが思い出されます。現在は、多くの受験者が法科大学院を経ていますし、受験回数制限もありますから、合格者の平均年齢は28歳代で問題があるとは捉えられていないのでしょう。

司法制度改革における法曹人口、特に弁護士の増員は、諸外国と比べて少なすぎるという、単純な比較を前提としていた側面が強いと思いますが、日本では、司法書士、税理士等の隣接法律職従事者が多数いて、また、訴訟等の法的措置による解決に慎重なカルチャーもあって、現状で、特に弁護士は過剰であるという見方にはそれなりの合理性があります。

私自身は、適性があれば合格として、あとは市場原理に委ねるのが基本とは思うのですが、過剰になれば質も下がることは避けられませんし、法曹界の後継者育成として、魅力ある業界にしていくべき、という観点から、現状で良いのかという疑問は残ります。

かつての司法試験(旧司法試験)は、合格者が少なすぎ(私が合格した年は480名余り)、過酷すぎる試験でしたが、それだけに、合格した人々は選りすぐられた優秀さがあり、現状のような高い合格率で、どういう人々が合格しているのか、不安に覚える向きがあるのもわかる気もします。

私自身は、単なるしがない一弁護士で、遠くない将来、法曹界を去り行く者でもあり、この業界がどうなっていくのか、大きなトレンドはわかりませんが、先行きの不透明さ、明るい光の見えなさ、といったことは感じるものがあります。