「量刑の公平性必要」=裁判員裁判で初判断―求刑1.5倍破棄・女児虐待死で最高裁

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140724-00000079-jij-soci

第1小法廷は「裁判員制度は国民の視点を反映させるために導入された。量刑について、制度導入前の傾向に従うことは求められていない」とし、裁判員裁判の判断は尊重されるべきだとの見方を示した。
一方で、「他の裁判結果との公平性は保持されなければならない」と判断。「評議では、大まかな過去の量刑傾向を裁判官と裁判員の共通認識とした上で議論する必要がある」と指摘した。さらに、「それでも公平性が失われるような刑を選択すべきと判断したのなら、説得力ある根拠を具体的に示すべきだ」と述べた。

我が国における量刑の判断は、法定刑の幅が広い(例えば、殺人罪であれば死刑から懲役5年、酌量減軽すれば懲役2年6月までとなります)だけに、その判断には難しさがつきまといますが、裁判所(裁判官及び裁判員)による「裁量」の余地がありますから、あり得る、可能な大枠の中に入っていれば、重くても軽くても不当とは言えないものの、そのような大枠をはみ出してしまえば、公平性を損ね、重すぎて不当、軽すぎて不当、ということになり破棄を免れないということになるでしょう。どこで、そのような「枠」を見出すのか、その判断が実に難しいわけですが、本件での原々審、原審の量刑判断は、そのような枠を重すぎて不当にまではみ出し逸脱していた、というのが、今回の最高裁の判断になります。
今後の量刑、特に裁判員裁判での量刑が検討されるに当たり、より慎重な、公平性を失することのない判断が求められた、その意味で重要な判例と位置づけられそうです。

追記:

最高裁第一小法廷平成26年7月24日判決(判例時報2250号103頁)

量刑の在り方、これまでの量刑傾向を視野に入れて判断がされる必要があり、これまでの傾向を変容させるのであれば、従来の傾向を前提とすべきではない事情の存在について具体的、説得的な判示が必要であることなどが丁寧に説明されていて参考になる。