映画「私は貝になりたい」

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仕事の合間に観てきました。ストーリーは知っていて、特に目新しさはなく、なかなかの力作とは思いましたが、特にすぐれた映画という感じでもなく、うまくまとめているな、という印象でした。
ただ、やや気になったのは、主人公の気の毒さを強調するあまり、B・C級戦犯法廷のでたらめさとか、携わる連合国関係者の見識のなさ、といったことがかなり誇張して描かれていたことで、確かに、様々な問題点を抱えていたことは事実ですが、あまりにも情緒的、偏頗な捉え方は、あらぬ誤解を招き、例の「元空幕長」のような、ろくに勉強もしないままでとんでもないことを平気で言ったり書いたりする人物を生み出すことにならないかと、少し心配になりました。
個人的には、石坂浩二演じる元陸軍中将が、毅然として米軍による無差別絨毯爆撃を批判するシーンが印象に残りました。先日、映画が上演されていた大岡昇平原作「ながい旅」の岡田中将を彷彿とさせる設定で、これは良かったと思いました。