司法修習生「卒業不合格」が急増、初の2ケタに

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070118i101.htm?from=main1

今年度の卒業試験は1493人が受験。昨秋の本試験で10人が不合格となり、97人の合格が留保されて追試を受けたが、その追試でも6人が不合格となった。
最高裁によると、1997年度以降、修習生が700人台だった2000年度までの不合格者はゼロで、修習生が約1200人に増えた04年度は5人、05年度は2人だった。不合格者が二けたに上ったのは今年度が初めてという。

イメージとしては、ピラミッドの頂点から、下に下がれば下がるほどレベルは落ちて行きますから、人数が増えて下の部分で取り込まれた(取り込んでもらった)部分の質の低下が、必然的に、上記のような結果を生んでいる、ということになるでしょう。
自由競争至上主義(?)の観点からは、こうるさいことは言わず、とりあえず世に出し、競争の中で淘汰されれば良い、ということになるのかもしれませんが、淘汰の過程では、

判決文偽造の弁護士、今度は工事代金着服で再逮捕
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070116i305.htm

といった問題が激増、続出する可能性が高く、最低限、関係者に迷惑はかけない程度の能力があるかどうか、というチェック機能としての合否判定は放棄できないように思います。
今後、さらに司法試験合格者が激増すれば、上記のような不合格者も激増することは不可避でしょう。

追記:

>留保者を犯罪者扱いする

どこをどう読めば、そういう理解が出てくるのか、それ自体理解できませんが、留保者が合格すれば、法曹として最低限の資質はあると認定されたということになり、そういった人が、その後、どのような法曹になるかは、このエントリーとは無関係でしょう。最終的に不合格になれば、法曹にはなれないわけですから、他の、より適性のある道を選ぶことになり、その道でどうなるかも、このエントリーとは無関係です。
2回試験が、法曹としての最低限の資質の有無を確認し不適格者を排除する、という選別機能を持たざるを得ない、という、このエントリーの文字通りの趣旨を、きちんと読み取っていただくことを強く希望します(大多数の、ごく普通の読解力を持つ方々は、そのように読み取っていると思いますが)。