司法修習生の卒業試験不合格、過去最悪の13%

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110824-OYT1T00189.htm

最高裁は23日、7月に法曹資格を得るための卒業試験を受験した司法修習生185人のうち、24人が不合格になったと発表した。
不合格者の割合は13・0%で、過去最悪だった昨年7月の12・6%を0・4ポイント上回った。不合格者24人のうち、14人は過去の試験で不合格となった再受験者だった。

こういった問題は、従来、司法修習生の質の低下、という文脈で語られやすい傾向がありましたが、現行の司法修習制度がうまく機能していないのではないか、という観点からの検討も必要ではないかと思います。私が司法修習生の頃は、前期修習として、まず4か月程度の集合研修があり、その後の1年4か月の実務修習を経て、後期修習が3か月程度あって、濃密な修習が行われていましたが、現在は前期修習がなく、修習期間も短縮され、昔に比べ激増した司法修習生に対する指導にも限界はあるのではないかと思われます。本人の問題、と切り捨ててしまうのは簡単ですが、司法修習を終了するまでには、かなりの公費も投入されていて、多数の不合格者が出れば、それだけ、投入された公費も無駄になってしまう、ということも考える必要があります。
先日、

これからの法曹養成
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20110817#1313517586

とコメントしましたが、現在の法科大学院司法研修所を融合させ、かつての司法修習の濃密さを再現して、より実効性のある法曹養成制度にする、ということも真剣に考えなければならないのではないか、ということを、改めて感じます。