広島に3度の日本一 貧しさからはい上がった勝負師 古葉さん死去

広島に3度の日本一 貧しさからはい上がった勝負師 古葉さん死去 | 毎日新聞

「天と地がひっくり返った」。1975年10月16日、毎日新聞紙面はカープ初優勝の驚きをこんな表現で伝えた。常勝巨人が最下位に沈み、それまで3年連続最下位の赤ヘルが起こした奇跡。快挙をもたらしたのが、古葉さんだった。

初優勝前の広島カープは、万年最下位の、敗北感に包まれた、本当に情けない弱小球団でした。子供の頃の私が広島市民球場へ行って、一生懸命応援しても、見るからに弱く、6回、7回になると、あー、今日も負けじゃー、などと皆が言ってゾロゾロと帰り始める、そういう敗北感しかない情けない姿が、今でも、薄暗い広島市民球場の記憶とともに、まざまざと思い出されます。

それを、勝てるチームに変えたのが、ルーツ監督であり、それを引き継いだ古葉監督であり、その薫陶を受けた選手たちでした。特に、ルーツ監督がシーズン当初で退任し、引き継いだ古葉監督の舵取りの難しさには大なるものがあったと思います。初優勝まで漕ぎつけた功績には多大なものがあります。

今の広島カープの礎を作った功績に感謝しつつ、ご冥福をお祈りします。