映画「関ヶ原」

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今日から公開で、早速、観てきました。
私は、司馬遼太郎の原作を、通しで3回くらいは読んだことがあり、最近はkindleにも入れていて、気に入った場面は繰り返し読んでもいて、原作については大ファンになります。司馬遼太郎作品はそれなりに読んでいますが、何か好きなもの、影響を受けたものを1つ挙げろと言われたら、迷いつつも、おそらくこれを挙げると思います。
そういう私ですから、観衆としてはあまり一般的ではないのですが、2時間余りの、結構長い作品であるにも関わらず、飽きが来ずに最後から最後まで観ることができ、全体としてなかなか面白かったなというのが観終わった後の感想でした。1つ1つの場面が、割と短くて緊張感があり、次々と切り替わっていく感じで、ダイナミックな動きがあって、そこは成功している印象を受けました。司馬遼太郎の原作の一節をナレーションで入れたり、原作にある場面を入れたりと、読んでいる人にとっては嬉しい演出にもなっていました。
ただ、気になったのは、原作を読んでいる私のような人、関ヶ原の戦いについて歴史としてある程度知っている人にとってはわかっているようなことが前提になっている面があって、原作では丁寧に説明されていることが映画ではかなり大胆に端折られ(止むを得ないのですが)、場面の切り替えが早い分、そういう背景事情を知らない人にとっては、展開が早すぎてわかりにくくなっっているのではないかという気もしました。その辺を説明し始めると、到底2時間余りにはおさまらないはずで難しいところではありますが。
合戦シーンは、激闘ぶりがよく出ていて迫力がありましたが、時間が限られていて、西軍優勢での展開、東軍、特に徳川家康の焦り、その後の裏切りによる西軍崩壊という流れが、今ひとつわかりにくくなっているような印象はありました。
とはいえ、全体としては、楽しめる歴史スペクタクル映画ということで完成度は高く、観る価値のある映画であると思いました。関心、興味ある方はどんどん観に行ってください。