http://www.huffingtonpost.jp/2016/01/28/yahoo-japan-sold-twelve-tons-of-ivory_n_9095716.html
イギリスのガーディアン紙は、Yahoo! Japanのオークションサイト「ヤフオク!」で、2012年からの2年間に、象牙が計約12トン販売されていたと報じた。
象牙はワシントン条約で輸出入が禁止されており、日本で売買が可能なのは1989年以前か、その後2回にわたって一時的に規制が解除されたときに輸入されたものに限られるが、同紙は日本のネットオークションでの活発な取引が、違法な取引やゾウの密猟の温床になっていると批判している。
私は、ヤフー株式会社に在籍してた2000年から2007年の間に、オークションで起きる様々な問題も担当していた関係で、こういった問題について環境省の担当者と協議したこともありますが(最初はひたすら激怒していましたが、徐々にオークションの仕組みも理解していただき懇切丁寧に説明してもらって資料もいただきました)、法規制の在り方が対象により様々で(例えば、象牙をとってみても、上記の記事にあるように、取引、即、違法というわけでもありません)、取引の「場」であるオークションでできることには自ずと限界があるということは認識する必要があると思います。その上で、違法な取引をゼロにできないなら一律禁止するのか、様々な努力を重ねつつ違法な取引をできるだけ減らす方向を目指すのか、悩ましくもありケースバイケースで決めるしかないでしょう。
オークションでの取引を禁止しても、取引が地下に潜り根絶は難しく、オークションという場で取引を可視化しつつ、違法なものをつぶすほうがより効果的に対策を講じられるという考え方もあり得ます(警察当局の取り締まりもやりやすいでしょう)。
オークションがなければ良い、という問題でもなく、例えば、オークションの取引を監視する組織を作っておいて、そこから継続的にオークション運営者に情報提供して違法取引を削除していく、といった取り組みも含め、慎重に対策を講じる必要があると思います。