〔コラム〕RMT(リアルマネートレード)は悪なのか

http://www.g-renda.com/news_azW8YcULvQ.html

近年、Yahoo!のオークションサイトを始めとして、オークションサイトは数多く存在する。そこには売り手と買い手がいるからこそなり立つのであって、値段を付けるのはその両者である。何が言いたいかというと、どんな物にでも価値があると判断して、それを認める第三者がいれば、取引は成立するのである。
そこを上手くついたのがRMTリアルマネートレード)である。先ほど説明した通り、ゲーム内アイテム、大抵はそのゲームの通貨を現実のお金と交換する取引だ。レアアイテム=リアルマネーなども中にはある。

私は、今は、しがない弁護士として世間の片隅で細々と棲息していますが、以前は(2007年まで)、ヤフー株式会社で働いていたこともあって、その際、オークションについて、いろいろな事象を見たり聞いたりする中で、このRMTの問題もありました。ゲームの運営者側は、RMTを認めないということで以前から一貫していますが、活発に取引されていることは、上記の記事にもある通りです。
そういった自分の経験にも照らしつつ思うのは、物(形にならないサービス等も含め)の価値、というものは、譲渡したい人、譲り受けたい人との間の需要・供給関係の中で決まってくるもので、法律で禁止されているとか、公序良俗に反する、といった取引が許されないのは当然ですが、そういった事情がなければ、取引すべきではない、好ましくない、と言っても、価格がつき取引されるものである、ということですね。抽象的に、けしからん、とか、好ましくない、などと言っても、人の自由な経済活動に縛りをかけることはできないものです。
本当にRMTを根絶したいのであれば、ゲームの運営者側で、そういった取引を経たものは使えなくする必要があり(技術的にかなり困難とは思いますが)、取引についても、好ましくないものがあれば、例えば未成年者による取引を防止するような具体的措置を講じるなど、具体的に検討、実行する必要があると思います。
単に、抽象的に善悪とか是非を言い合うのではなく、建設的な、実行を伴う議論、検討が必要ではないかというのが私の意見ですね。