http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130422-00000002-asahi-soci
議決書は「虚偽記載があったと言わざるを得ない。検察が田代元検事の弁解をうのみにしていないかとの疑念がある」と指摘した。
最高検が田代元検事を不起訴(嫌疑不十分)としたのを不服として、市民団体「健全な法治国家のために声をあげる市民の会」が昨年8月に審査を申し立てていた。検察当局は再捜査するが、1度目の審査で「起訴相当」議決が出なかったため、再び不起訴とした場合は審査会による2度目の審査はなく、不起訴処分が確定する。田代元検事の強制起訴はなくなった。
元特捜検事を減給処分=当時の特捜部長も懲戒―陸山会事件の虚偽報告書で・法務省
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20120627#1340781685
では、「検察審査会で審査され、かなり高い確率で、起訴相当という議決が出ることが予想されます。」とコメントしたのですが、陸山会事件で、あれだけの薄っぺらい証拠で小沢氏を果敢に(?)強制起訴した検察審査会が、今度は一転して弱気に(?)不起訴不当程度で小さくまとめてきましたね。証拠のある、なしにより結論がそれに応じて変わってくる、という仕組みには、どうもなっていないようです。
偽証では記憶に反して証言したかどうか、文書偽造では偽造の故意を持って犯行に及んだかどうかが問題になり、否認されると立証は難しいものですが、それを言うなら、小沢氏の件でも、関係者は皆、否認していて、小沢氏と他の関係者の「共謀」を立証するハードルは相当高かったはずです(事実、その後無罪になって確定しています)。それに比べ、本件での文書偽造は、隠し録音された内容で報告書の虚偽記載が客観的には明らかで、記憶の混同という弁解は排斥しやすく、文書偽造の故意がない、偽証もしていない、といった見え透いた弁解は、「国民の良識」に照らすと、厳しく断罪されやすいのではないかと私は思っていたのですが。検察審査会というのは、所詮、こんなものなのかもしれません。
今後、検察庁が再捜査しても、起訴する可能性はまったくありませんから、これで、刑事事件としては事実上終結で、大きな謎、闇が解明されないままで終わってしまいました。国民の検察庁に対する不信感は大きく残り、今後も、検察庁にとってボディブローのように効いてくることでしょう。