http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2011070102000193.html
石川被告らが政治資金収支報告書の提出前に虚偽記入について小沢元代表らに報告、了承されたとする調書などが中心。弁護側によると、裁判所は「取り調べ検事による威圧、誘導があり、任意性がない」としているという。
検察側はこれらの調書を立証の柱にしてきたため、二十日に行われる論告の内容の見直しを迫られるとともに、検察審査会の議決で強制起訴された小沢元代表の裁判にも大きな影響を与えそうだ。
弁護側によると、調書全体が却下されたのは、石川被告の供述調書十五通のうち十通と、後任の池田光智被告(33)の二十一通のうち二通。二人のほかの調書についても、部分的に却下されたものがある。二人が自らの虚偽記入を認めた部分は採用されたという。
東京地裁は、各被告人による虚偽記載は、故意も含め認められるという心証を抱く一方、小沢氏への報告や了承、共謀といった点については、供述調書作成にそもそも無理があり認定できないと考えている可能性が高いように思います。記事でも指摘されているように、今後、行われる小沢氏自身の公判では、却下された上記の供述調書が立証の根幹部分を支えるものになっているはずで、別の裁判とはいえ、小沢氏の公判を担当する裁判官に、事実上の強い影響を与える可能性は当然あるでしょう。
検察審査会による小沢氏の起訴相当議決が出されるにあたっても、却下された供述調書は大きく考慮されていたようですが、任意性が飛んでしまうほどの無理な取り調べにより生みだされたものである、ということは、おそらく考慮されていないのではないか(考慮するだけの材料もなかったはずですが)と推測されます。特捜部が思い描き、最終的には検察内部ですら起訴にまでは踏み切れなかった、その意味では破たんした検察ストーリーに、特捜部が思い描いた枠内で無批判に乗っかった、素人の集まりの判断、と言ってしまえばそれまでですが、今後、ますます間違った方向に進めば、フランス革命期の革命広場で断頭台を取り巻いて歓声を上げていた人々のような存在になりかねず、かなり危険なものを強く感じます。