元特捜検事を減給処分=当時の特捜部長も懲戒―陸山会事件の虚偽報告書で・法務省

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120627-00000090-jij-soci

陸山会事件の虚偽捜査報告書作成問題で、法務省は27日、報告書を作成した元東京地検特捜部の田代政弘検事(45)=現法務総合研究所=を減給処分とした。報告書の作成を指示した佐久間達哉元特捜部長(55)についても、監督責任を問い、戒告の懲戒処分とした。

私は、報告書を作成した検事は戒告、上司は厳重注意程度と予想していたのですが、あまりにも軽すぎると法務省は考えたのか、それぞれ、1ランク重い処分に「格上げ」されましたね。とは言え、あれだけのことをやらかしておきながら、この程度の処分で、しかも、刑事事件については不起訴で誰にも何の処分もない、ということですから、良識のある国民の多くにとっては、到底納得できるものではないでしょう。
そもそも、小沢氏やその秘書を、何年にもわたり追いかけまわすという、異常な捜査が行われた上、小沢氏の刑事責任は問えないという検察庁としての最終結論が出た後も、検察審査会で起訴相当議決が出たことを、現場では千載一遇、起死回生の大チャンスと見たのか(おそらくそうでしょう)、虚偽捜査報告書は作成する、特捜部長自らが筆をとり(実際は、筆、じゃなくてPCを操作して、ですが)小沢氏の怪しさ、嫌疑を強調する捜査報告書まで作成するなど、検察審査会の2度目の起訴相当議決を強力に推進する動きを、特捜部という組織をあげて行なっていたもので、そこには、真実の前に謙虚でなければならない、公益を代表する立場にある検察官として検察審査会をミスリードせず検察庁という組織が下した判断を正しく、正確に伝えなければならないという姿勢はまったく認められません。虚偽捜査報告書の作成経緯は、録音内容も含めかなり明らかになっていますが、裁判官、検察官も経験した弁護士でもある前法務大臣ですら、意図した上での虚偽報告書作成という心証を持つほどのもので、それにもかかわらず、不起訴、懲戒処分もこの程度のお茶濁しでは、正義はいずこに、という虚しさしか残りません。
こういった、いい加減で中途半端な処分は、当然、厳しく批判される必要がありますし、今後、不起訴処分については、検察審査会で審査され、かなり高い確率で、起訴相当という議決が出ることが予想されます。最近、良いところのない、ぱっとせず冴えない検察審査会ですが、たまには良い仕事をしてもらいましょう。