住宅ローン融資金を詐取容疑 銀行子会社元社員逮捕

http://digital.asahi.com/articles/OSK201206050087.html

容疑者が提出した住宅ローンの申請書に、収入などで虚偽の記載があったことを知りながら審査を通し、約3100万円を詐取した疑い。実際の住宅の購入額より約1千万円高く、同課は経緯を調べる。

先日、「アリバイ会社」について、NHKの取材を受け朝の番組にも登場するという、しがない弁護士らしくない場面がありましたが、銀行が住宅ローンの審査を行い融資を決定する上で、申請書記載の「収入」が実態を反映した正確なものであることは、返済を受ける上での重要事実で、そこに、わかっていれば融資を決定しないような虚偽があれば、刑法上の詐欺罪(融資を行う前に発覚すれば詐欺未遂罪)が成立することになります。本件で、どのような手段が講じられたかわかりませんが、アリバイ会社が介在していて、アリバイ会社にもそういった使われ方についての故意(確定的なものでなく概括的なものであっても故意と評価される可能性があります)があれば、アリバイ会社の担当者も詐欺幇助罪(関わり方が強ければ共同正犯)が成立する可能性は、決して低いものではなくあるでしょう。
ちょっとした嘘で害はない、望む結果が得られればよく後に問題になるようなことはないだろう、といった、軽い気持ちで、アリバイ会社を利用するなどしてそういった行為に及ぶと、思いがけず人生が大きく暗転しかねませんから、慎重に行動することが必要であると思います。強く警鐘を鳴らしておきます。