九段会館だけでない地震による天井落下 首都圏の大型施設で続出していた

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110504-00000000-jct-soci

首都圏のホールやスポーツ施設など大規模施設で、なぜ天井が落下してしまったか。
構造エネルギー工学を専攻する筑波大学の金久保利之准教授は、「一般的に大空間の建物は、屋根の構造材(梁や床スラブなど)から天井までの距離が長い(懐が深い)。耐震性の乏しい天井、たとえば補強する部材のない場合などは、地震動の揺れにより落下しやすい」と説明する。こうした天井は、注文や施工がしやすいという特徴があった。
天井の落下は以前にも問題になったことがある。金久保准教授は「2000年代にも同じような形式の天井パネルの落下事故が見られ、国土交通省文部科学省では、標準仕様書というかたちで耐震性の高い天井を施行するように指導しています。今回の地震で落下した天井では、これらの仕様書の作成前に施工されたものが多いようです」と言う。地震を受けて、既存の建物についても天井の耐震性について考慮する必要があり、同教授は「法令や規準などで明確な耐震性能を記述する必要があるように思います」と指摘する。

私も、大学生当時から最近まで、九段会館は何度も利用したことがあり、それだけに、3月11日の震災で死亡事故が起きたことには驚き、ショックでしたが、問題は、広くいろいろな建物に潜在しているということですね。
天井の耐震性については、あくまで「指導」にとどまっているということであり、また、指導が行われるようになるまえの既存の建物も数多くある状況の下、我々としては、建物自体の耐震性だけでなく、自分たちの頭の上にある天井の耐震性についても注意を払っておかななければならないということでしょう。咄嗟の場合、天井落下にどこまで対応できるかを考えると、かなり心許なく、九段会館における深刻、重大な事故を考えると、特に、不特定多数が利用するような建物の管理者は、天井の耐震性を早急にチェックして必要な措置を講じておく必要があると言えるでしょう。
人々の生命、身体に、直接的に影響を及ぼす性質の事柄であるだけに、広くこの問題が注目され、対応が急がれるべきであると思います。