ロシアのウラル地方上空で隕石が爆発、1000人が負傷

http://jp.wsj.com/article/SB10001424127887323977704578305360513830652.html

ロシアに落下した隕石ですが、凄まじい威力を持つものであったことが徐々に明らかになっていますね。

ロシアのテレビ局が放映したアマチュア撮影家の撮影したビデオは、現地時間の午前9時20分、上空を猛スピードで横切り、幅の広い飛行機雲のような白い雲と強烈な閃光を残す1つの物体を映し出した。隕石の爆発で衝撃波が発生した。チェリャビンスク州の州都チェリャビンスク市は被害を受けた最大の都市で、住民によると、建物のドアやガラスが吹き飛ばされたり、自動車の警報装置が作動したりしたという。

ロシアの科学アカデミーの発表によると、隕石は推定で直径数メートル、重さは約10トンだった。科学アカデミーは「物体は秒速15〜20キロの速度で大気圏に突入し、高度30〜50キロで爆発した。破片がかなりの速度で落下したため、強烈な光と強い衝撃波が生じた」と述べた。

NASAによると、サッカー場ほどの大きさの物体が地球に落下して、甚大な被害をもたらすのは2000年に一度程度だという。恐竜を絶滅させたとされるような巨大惑星が地球に落下する確率は数百万年に一度としている。

ロシアのロゴジン副首相は世界の主要各国に対し、早期警戒システムの構築と隕石を打ち落とす技術の検討を呼び掛けた。ロシア連邦宇宙局ロスコスモス)は隕石ほどの速度で落下する物体を追跡するのは不可能だと述べた。

この程度の規模の隕石落下には、強い衝撃波が伴ない、隕石そのものが衝突する被害がなくても、衝撃波によりこれだけの被害が出る、ということは、正に衝撃的ですね。東日本大震災時の大津波が1000年に1度の規模と言われていましたが(実際はもっと短いインターバルで起きてはいるようですが)、上記のNASAの説明によると、巨大惑星衝突はともかく、小規模のものは、稀にしか起きないもののまったく起きないものでもなく、起きれば甚大な被害を起こす危険性を持っています。1908年にシベリアに落下した隕石は、シベリアという場所であったため人身被害は特になかったようですが(あっても僅かであったでしょう)、これが、都市への落下であれば、数万人規模の死傷者が出る大災害に発展する可能性が高いと思われます。
高度数十キロで爆発して破片になる、ということになると、素人的に考えても「撃墜する」のは無理としか思えませんが、地球へ接近する隕石を事前に察知して、ある程度の落下エリアを絞り込み、警報を発するシステムは、あってほしい気がします。わかったから何ができるかはわかりませんが、少なくとも、衝撃波によるガラス破損による被害を避けるためガラスから離れる、といった措置は講じられるでしょう。
自然の雄大さや危険性、我々は地球に住むとともに宇宙の中に住んでいる、ということを、しみじみと感じました。