正当防衛の無罪確定へ 静岡の殺人、検察控訴せず

http://www.47news.jp/CN/201102/CN2011021501000282.html

被告は2009年12月11日ごろ、浜松市東区のマンションで、同居していた会社役員の男性=当時(69)=の胸や顔などをナイフで刺し殺害したとして起訴された。
今月2日の浜松支部判決は「就寝中に男性が馬乗りになりナイフで襲ってきたため、命の危険を感じたのは当然」と指摘。「(被告が)ナイフを振り回し、攻撃を排除しようとしたのは身を守るためで許される範囲」と正当防衛を認定し、無罪を言い渡した。

判決内容を知る機会があったのですが、

1 男性がナイフを持ち馬乗りになって襲いかかってきたことは動かしがたい事実
2 男性による攻撃(急迫不正の侵害)が、どの時点で終わったか確定できない(検察官は、創傷の状況を踏まえた医師の意見に依拠し、途中から無抵抗な男性に対する一方的な攻撃があったとするが証拠上はそこまで確定し難い)
3 咄嗟の防御意図を超えた、積極的な加害意図も認定困難

といった事情が、丁寧に認定されていて、これは、正当防衛という認定もやむを得なく、検事控訴も困難だろうと感じました。案の定、不控訴になりましたね。
裁判員が入っているが故に、従来とは異なる手法で判断されているということも特になく、丁寧に、無理のない認定がされているのが印象的でした。裁判員裁判も、徐々に軌道に乗ってきたのかもしれません。