足利事件無罪、裁判長の謝罪の言葉=全文

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100326-00000523-yom-soci

足利事件再審判決・佐藤正信裁判長の謝罪の言葉(全文)

通常ですと、判決宣告後に適当な訓戒ができることになっていますが、本件では、自戒の意味を込めて謝罪をさせていただきます。
菅家さんの真実の声に、十分に耳を傾けられず、17年半もの長きにわたり、自由を奪う結果となりましたことを、この事件の公判審理を担当した裁判官として誠に申し訳なく思います。
このような取り返しのつかない事態を思うにつけ、二度とこのような事を起こしてはならないという思いを強くしています。
菅家さんの今後の人生に幸多きことを心よりお祈りし、この裁判に込められた菅家さんの思いを深く胸に刻んで、本件再審公判を終えることといたします。

この事件については、

1 誤立件、誤起訴に至った捜査の問題(虚偽自白を導いてしまったこと、誤ったDNA鑑定のプロセス及びその盲信)
2 確定裁判の公判における問題(特に1審の被告人の訴えを生かせない低調な刑事弁護、誤りに気付き是正できなかった裁判の在り方)
3 再審決定に至るまでの問題(最新の技術でDNA鑑定を行えば済むことなのに、それをせず何年も事件を放置し請求を棄却した宇都宮地裁の怠慢)

等々、数々の、様々な問題点があって、今後、再犯防止のために大きく生かされなければならないと思います。

追記:

判例時報2084号157頁(宇都宮地裁平成22年3月26日判決)