明石歩道橋事故で元副署長起訴へ…検察審が議決

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100127-00000992-yom-soci

改正検察審査会法施行後、起訴を求める議決は2度目で、神戸地裁が指定する弁護士が起訴する。最高裁によると、改正法に基づいて起訴議決され、強制起訴になるのは全国で初めて。
指定弁護士は今後、議決書に基づき起訴状を作成。必要であれば、地検に協力を求めて補充捜査し、公判も担当して起訴状朗読や冒頭陳述、立証活動、論告求刑など検事役を務める。

先程、議決の概略が把握できたのですが、過失に対する見方が、検察庁のほうは、組織体における個々の役割を厳密に見て、下位者に対し上位者が仕事を委ねている実態にそれなりの合理性があれば上位者の責任は問いにくい、という、良く言えば堅い、悪く言えば狭すぎる認定をしているのに対し、検察審査会のほうは、特に本件の雑踏警備における警察という組織の重要な役割を社会常識に沿って素直に見た上で、重要な役割を果たす以上、下位者だけでなく上位者にも高度な注意義務が課されていたはずだという、当然と言えば当然の認定をしていて、証拠関係まではよくわからないものの、なかなか良いところを突いているな、という印象を受けました。
ただ、これだけの難事件ですから、指定弁護士にかかる負担は多大なものがあることは確実で、過失犯についてのかなり高度な知識、洞察も必要になり、私が兵庫県弁護士会に所属していたら、ブログでつべこべ言っているので落合弁護士にやってもらおう、などということになりかねなかったような気が少ししました。
議決でも触れられていたようですが、本件では、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20090511#1241969498

でもコメントした時効の問題があり、今後、公判でかなり激しく争われることは確実でしょう。指定弁護士としては、起訴状レベルでの時効による免訴を避けるため、訴因を過失犯の共同正犯にしておくかどうかということを、まず検討する必要がありそうです(私ならそのような訴因として構成しておくでしょう)。