<明石歩道橋事故>起訴議決 弁護側「一事不再理に反する」

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110302-00000013-mai-soci

遺族は強制起訴制度を導入する改正検察審査会法の施行日に合わせた09年5月、3度目の申し立てをし、神戸第2検審は「起訴相当」と議決。地検は改めて不起訴としたが、検審が昨年1月、全国で初めて「起訴議決」をした。
同法は、1度議決した同一事件の審査を申し立てることはできないと規定。弁護側は「最初の不起訴処分で事件は処理済みとみるべきだ。2度目以降の検審への申し立ては無効で、3度目の申し立てに起因する起訴議決は違法」と主張している。
一方、指定弁護士側は「再捜査しているので別事件」との立場だ。

上記の記事にもある通り、検察審査会法では、

32条 検察官の公訴を提起しない処分の当否に関し検察審査会議の議決があつたときは、同一事件について更に審査の申立をすることはできない。

と定められていますが、その一方で、2条3項では、

検察審査会は、その過半数による議決があるときは、自ら知り得た資料に基き職権で第1項第1号の審査を行うことができる。

という定めもあって、従来の実務では、再審査も、検察審査会による職権発動により可能という取扱いがされてきたと言えるでしょう。ただ、そういう状態では、時効にならない限り、不起訴処分が繰り返し検察審査会の審査対象になってしまうことになり、法的安定性という点では問題もあって、おそらく、弁護人側はそういった点を問題にしているものと推測されます。そういった点が曖昧なままになっている、検察審査会法の不備という見方もできそうです。
従来、突き詰めて議論されてこなかったところと言え、今後の裁判所による判断が注目されると思います。