【郵便不正事件】弁護側冒頭陳述要旨

http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/100127/trl1001272136014-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/100127/trl1001272136014-n2.htm
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/100127/trl1001272136014-n3.htm

検察官の主張は関係者を脅したり懐柔したりして作り上げた個々の虚偽の供述調書をつなぎ合わせただけのもの。方々でほころびが顕著になっており、全体のストーリーとしては支離滅裂で、破綻している。

証拠構造がよくわからないので、コメントも限定的なものにならざるを得ませんが、何らかの違法行為があり、そこに複数の関与者があって共犯関係が問題になる場合に、供述が主たる証拠で、かつ、特段の裏付けもなく、しかも捜査段階の供述が公判で翻る、というのが、事実認定が非常に困難な事件の1つのパターンでしょうね。
そういう事件になりそうな気配があるのが、東では小沢事件で、上記の記事にある郵便不正事件と、根底で問題点が共通する面があるように感じられます。
かつては、裁判所において検察官調書が非常に高く評価されていた面があって、赤い紙(検察官調書は端が赤いので)が沢山あればある程、検察庁の決裁官が安心して決裁印を押していたという時代もありましたが、徐々にそういったプライオリティのようなものがなくなってきて、何をどこで認定するかということが、ますます難しくなっているということは言えそうです。
今後のこの種の知能犯捜査で、従来の検察庁の手法が通用するのか、あるいは、否定され新たな道を見つけざるを得ないのか、その試金石になる事件に、今後、なって行くかもしれません。