http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091109-00000577-san-soci
おもな争点は、この期の決算から導入された旧大蔵省の決算経理基準(資産査定通達)が当時、唯一の公正な会計慣行だったかどうか。1審東京地裁は、通達を唯一の会計基準と判断して、粉飾決算を認定。2審東京高裁も支持していた。
最高裁は昨年、争点が重なる旧日本長期信用銀行(現新生銀行)の粉飾決算事件の上告審で、同罪などに問われ、1、2審で有罪判決を受けた元頭取らに逆転無罪判決を言い渡した。
長銀事件が無罪で集結したのに続き、日債銀事件も逆転無罪の可能性が極めて高いでしょうね。
両事件とも、典型的な「国策捜査」の末に起訴されたものでしたが、ストーリーが作られレールが敷かれ、その上を機関車が暴走するように、反対論も慎重論もはね飛ばして進んだ時に起きる悲劇、取り返しがつかな恐ろしさ、といったことをしみじみと感じさせられます。
再びこのような事態を引き起こさないために、どこに問題があり誰がどういう役割を果たすべきであったか、ということが、きちんと検証され今後に生かされるべきでしょう。
追記(平成22年6月8日):
判例時報2072号155頁以下に、上告審判決(平成21年12月7日第二小法廷、破棄差戻)が掲載されていました。
先に無罪となった旧日本長期信用銀行の事件とは異なり、破棄差戻となったことについて、判例時報のコメントでは、従前の大蔵省による基本通達を前提にしても、旧日債銀の貸出先については、旧長銀のような関連ノンバンク(母体行主義の下で原則として支援が求められ、類型的に「事業好転の見通しがないとはいえなかった)ではなく、個別具体的な事情を考慮して資産査定を行う必要があり問題状況が異なっていた、と説明されています。今後の審理、判決の行方が注目されると思います。