緒方・元公安庁長官に猶予付き有罪判決

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090716-00000422-yom-soci

この日の判決では、「資金調達のめどが立っていないことを知りながら、緒方被告らが取引を進めた」とする共犯者の供述や、緒方、満井両被告の自白を信用できると判断。両被告は、東京・六本木のビル地上げに絡んで資金を調達する必要に迫られて現金をだまし取り、不動産詐欺にも及んだと認定し、「肩書のある緒方被告の関与がなければ犯行は完遂できず、だまし取った現金から1億円の報酬を得ており、反省も見られない」と非難した。

私は緒方側の主任弁護人で、今日は、午前9時半に裁判所そばに集合して、弁護団が裁判所へ入って行くところを撮影されたり、法廷でも写真撮影があったりで、公判が始まるまでに、日頃はないことがあって、やや緊張しました。最近は、この暑さの中、極力着ないことにしているスーツを、今日は着ていて、2時間ほどメモを取りながら判決をじっと聞いていたので疲れました。
無罪主張に対し有罪という判断で、当然、不満な判決ですが、35億円相当の不動産、5億円弱の現金を騙し取ったという認定を受ければ、被害について相当程度の回復はあっても、普通は実刑になるのが実務で、そこに執行猶予が付いたということに、いろいろな読み取り方はあろうかと思います。
折しも、今日は、

田中元特捜検事に懲役3年=9000万円詐取「専門知識悪用」−大阪地裁
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2009071600597

という判決があって、こちらは9000万円で3年の実刑でした。
東京地検次席検事はご不満のようですが、控訴の要否については、本件特有の様々な事情も踏まえた上で、慎重に判断してください。>東京地検次席検事