『小沢事務所が天の声』西松献金事件 東京地裁初公判 検察、冒陳で指摘

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2009061902000215.html

ダミー団体は二年以上前に解散している。総選挙を控えた時期に野党第一党の党首の秘書を逮捕する一方で、自民党二階俊博経産相派の政治団体が西松に八百三十八万円分のパーティー券の購入を受けた問題では、強制捜査はしないまま不起訴にした。
検察審査会は十六日付で、この不起訴処分を「不当」と議決した。西松建設の巨額献金事件の捜査のあり方について、多くの国民が疑問を持っていることを検察は自覚する必要がある。

特捜部が起訴した事件で、被告人、弁護人が事実関係を認め早期に結審、判決となる事件には、大きく分けて2通りあり、

1 起訴された事実が、真相、あるいはほぼ真相であって争うのが困難

という場合と、

2 かなり歪んだ検察ストーリーが展開されていて、争う余地は大いにあるものの、早く社会復帰したいなど種々の事情から、検察ストーリーに敢えて異を唱えず認める

という場合があります。したがって、共犯者、関連被告人が複数いて、ある人は認め、ある人は否認するという状態で認否が分かれた場合、認めたからといっても上記の2の可能性もありますから、認めたほうの公判で、検察ストーリーがこれでもか、これでもかと展開されても、それが真相なのかどうかということは、否認しているほうの公判も見てみないとわからないというのが実態でしょう。
検察ストーリーを前提としても、西松建設だけでなく、様々なゼネコン等が小沢前代表サイドに種々の思惑から献金をしていたはずであり、また、そういった政治と金の問題は、政界全体を覆っていたはずであるにもかかわらず、そのほとんどがどこかへ消えてしまい、残って起訴対象になったのが、「西松と小沢」という、無数にある関係の中のほんの1つの関係、それも、総選挙を目前にした時期に突如として強制捜査麻生首相や与党はそれにより明らかに助けられた、という状況では、厳正中立、不偏不党といくら唱えたところで、国民の理解を得るのはかなり困難ではないかという印象は、改めて受けます。