司法試験合格までにかかった費用(私の場合)

昨日のエントリーで、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20080918#1221720136

これでは、金、金、金の司法試験、司法修習であり、制度として根本的かつ致命的な欠陥を抱えていると言われても仕方がないでしょう。

とコメントしましたが、自分の場合、合格までにどれくらいの費用がかかったのかと思い、少し振り返ってみました。と言っても、既に20年余り前のことであり、大ざっぱなことしかわかりません。また、費用としてどこまで見るか、という問題もあるので、あくまで一つの大ざっぱな試算ということになります。
大学入学後、3年時に択一試験に初めて合格するまでは、早稲田大学に当時あった法職課程教室を利用していて、いろいろと講座は受講していた記憶です。学校でやっているもので、予備校よりは受講料が安く、払ったのは合計で20万円くらいでしょうか。
3年時に択一合格した後、予備校(私の場合はLEC)に通うようになり、まずは憲法民法、刑法を固めねば、と思って、生の講義をビデオで録画した講義を1年くらい受講し、その受講料が、確か15万円くらいではなかったかと思います。それ以外に、答案練習会、択一模試、択一合格後、論文までの直前答練など、答練、模試といったものにも参加していて、これらが、諸々合わせて15万円くらいでしょうか。
あとは、基本書などいろいろな資料を買ったり、テープを購入したり、といったこともありましたが、大学の4年間(私の場合、4年生で最終合格)で、司法試験のために、ということになると、合計でざっと50万円くらいかな、という感じです(この辺になると、かなり感覚的なものになってきます)。
元々、法学部に在籍していて、法学部で学ぶための費用を含め始めるとさらに増えますが、司法試験のため、ということになると、ざっと合計して100万円くらいでしょうか。まあ、こんなところではないか、と思います。
これが、法科大学院で学んで、ということになると、既習コースに2年在籍でも学費は合計200万円程度、3年学べば300万円程度はかかるはずで、さらに資料購入とか、答練や模試を受ける等々、いろいろと利用すれば、軽く400万円、500万円程度はかかってしまうでしょう。合格まで複数回受験すれば、さらに費用はかさむはずです。
私の場合、当時としては短期に合格したほうで、一般化はできませんが、しかしそういった合格者がいたのも事実で、現行の法科大学院終了を原則的な受験資格とする制度の下では、学んでいる人々全体に、広く重い負担が構造的に生じる、という「高負担」の制度になってしまっていることは間違いないでしょう。
これだけの負担を強いられ、それに見合う結果が出れば報われますが、現状では、司法試験の合格率は3割から4割程度にとどまり、合格しても司法修習に入るまでに予備校で学んでおかないと落ちこぼれかねない、という状況で、高負担が報われにくい制度になってしまっているのではないか、と思います。
金、金、金と、金に追われながら司法試験に合格し司法修習を終えた人々が大勢出てくることには、金がすべて、金で買えないものはない、人の心も金で買える、といった拝金主義的な法曹が社会の隅々までウイルスのようにまん延し、日本国民に対し害をなす存在になるのではないか、という危惧の念を禁じ得ません。