グーグル・ストリートビューに関する取材(続)

先日は週刊ポストでしたが、今度は、某新聞の取材で、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20080819#1219144977

のようなことを述べた上で、さらに、概略、次のようなことを述べました。
このサービスが種々の問題を含むことは事実であり、グーグルとしても、今後、さらに改善する必要が高いと思う。グーグルのような企業は、グローバルに、一律なサービスを提供する、ということを当然のように考えているが、人々の意識、感覚、権利に対する考え方等々はドメスティックなものであり、個々の国や民族によってかなり違いはあるので、そういったところに踏み込むようなサービスを提供するにあたっては、かなり慎重に臨む必要がある。
このサービスが、今後、存続されるかどうか、また、どのような形でサービスが提供されるか、といっったことは、グーグルの方針に依存しつつ、最終的には、日本国民がどのような考え方を持つかによって決まってくるのではないかと思う。
その際に、裁判所における判断、というものも影響してくる可能性が高い。今後、権利侵害を理由とした、ストリートビューに関する訴訟が提起される可能性は高いと私は考えている。そういった訴訟で、このサービス全体が人格権を侵害する違法なものである、という主張が展開される可能性もあり、裁判所が、このサービスについて相当厳しい判断を出す可能性ということも否定できない。そうなった場合、サービス継続への影響ということが出てくる可能性もある。逆に、裁判所が、グーグルの主張をかなり認め、サービス自体の適法性、相当性を肯定する判断を出す可能性もあって、そうなれば、グーグル側に有利な展開になる、ということもあり得る。米国等では、既に訴訟も提起されているが、日本の裁判所には日本の裁判所の考え方、というものがあるので、どのような判断が出るかはにわかには即断しがたいものがある。

追記1:

東京新聞の8月30日朝刊で、

ネットに自宅…見られる恐怖 映像地図『ストリートビュー』の是非
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/list/CK2008083002000108.html

という記事になって掲載されているようです。興味がある方はご覧ください。

追記2:

ストリートビュー」はどこが問題か、MIAUシンポジウムで議論
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2008/08/28/20682.html

議論の内容が参考になります。