<三浦元被告>米当局が殺人容疑で逮捕 旅行中のサイパン島

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080223-00000098-mai-soci

ロス市警はサイパン当局に対して身柄の早期移送を求めている。同紙は市警当局者の話として、ロサンゼルスで起訴される見通しだと伝えている。

外務省海外邦人安全課は日本人男性が22日夕にサイパンの空港で殺人容疑で身柄を拘束されたことを認めている。在サイパンの出張駐在官事務所の担当者は「昨日(22日)午後5時すぎ、旅行代理店から日本人男性が出国時に移民局に身柄を拘束されたと連絡があった」と話している。25日朝に担当者が面会する予定だという。
三浦元被告は81年8月に一美さんを殺害しようとした殴打事件で殺人未遂罪に問われ、87年に東京地裁で懲役6年の実刑判決を受けた。しかし、81年11月に一美さんを銃撃したとされる事件では殺人罪に問われたものの、03年3月に最高裁で無罪が確定した。

このニュースには驚きましたね。
ただ、一美さん銃撃・殺害事件は、元々、アメリカ国内で起きたものであり、アメリカの司法権の下で捜査、公判が行われることは十分可能である上、日本で無罪になっていても、別の主権国家であるアメリカで裁かれることについて、無罪判決の一事不再理効は及びません。そこにもってきて、身柄が確保できた、ということであれば、このような事態はおよそ考えられない、といったことではなく、よくよく考えればあり得ることであった、と言えるように思います。
アメリカにおける刑事の時効についてはよくわかりませんが、

http://www.wowow.co.jp/drama/cold/

などを見ると、日本とは、時効制度の在り方がかなり異なっているようであり、身柄拘束に及んでいる、ということは、そこは問題なくクリアされているということなのでしょう。
外国で何らかの訴追を受ける可能性がある場合、当該国やその主権が及ぶ地域へ渡航することについては十分注意すべき、という、一つのわかりやすい先例になりそうです。
銃撃・殺害事件では無罪になっていますが、上記のように、先行した殴打事件では有罪判決が出ている状況でもあり、アメリカの陪審員裁判において有罪判断が示される可能性は決して低くないように思います。
以前、この事件の一審公判に立ち会っていた本江検事に関する思い出を本ブログで紹介したことがありますが、

http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20061209#1165629702

本江氏も、さぞ驚いていることでしょう。
今後の展開には軽々に予想しがたいものがありますが、「江戸の敵を長崎でとる」といった展開になる可能性もありそうです。