岐阜の病院、相部屋に扇風機1台 家族「転院したい」

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180829-00000034-asahi-soci

県警によると、5人目の死亡を把握したのは28日午後8時40分ごろ。亡くなった男性(84)の成年後見人が岐阜中署を訪れたことで発覚したという。同時刻、県警は病院へ家宅捜索に入っていた。
病院は、すでに明らかになっている4人の死亡についても県警などに通報していなかった。4人について県警が把握したのは、27日夜に県警本部に入った関係者からの電話だった。

警察は、被疑者不詳の殺人容疑で捜索差押許可状を取って捜索差押を行ったとのことですが、報道されている事実関係の流れから見ると、成立可能性が高いのは(あくまで証拠があればという前提ですが)業務上過失致死罪でしょう。
故意犯としては、保護責任者遺棄罪が「生存に必要な保護をしない」場合も含みますから、保護責任者遺棄致死罪も、一応は想定されますが、生存に必要な保護をしないという評価まで受ける実態があったのか、いい加減な対応だったとしても生存に必要な保護をしていないという故意(未必の故意を含め)まであったのかというと、ハードルは高い気がします。
殺人罪ということになれば、故意に殺害するということですから、ハードルは相当高く、報道されていないような特殊な事情でもない限り、成立可能性は低いと思います。警察としては、実態がよくわからない段階で早急に捜索差押を行う上で、可能性として最も重い罪名を根拠としたものので、今後、捜査の流れは業務上過失致死へと向かっていくのではないかと推測されます。
その場合、捜査のポイントは、

・過失の有無、内容、誰の過失だったのか
・死因の特定(熱中症と言われているが、他の原因は介在していないか)
・過失行為と結果との間の因果関係

といったところで、報道されているような、エアコンが故障した時点から各患者の死に至る具体的な過程を調べて、医学の専門家の意見も聴く必要もおそらくあって、捜査はそれなりの期間かかるだろうと予想されます。