山中湖村職員の協賛金横領:係長を容疑で逮捕へ /山梨

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070715-00000102-mailo-l19

01年ごろから当時の大会会長名で勝手に開設した口座に、大会のメーンスポンサー1社からの協賛金を入金させ、一部を着服後、残りを大会の専用口座に入金する手口を繰り返し約3000万円を着服したとされる。
同村は6月1日に富士吉田署に被害を届け出た。一方、係長は同日、辞職願を提出したが、同村は警察の捜査の進展を待って判断したいとして受理を保留している。同5日に、同村の銀行口座に係長名義で3045万円が振り込まれている。

どの時点で犯罪が成立するか、という問題がありますが、上記の手口であれば、勝手に開設した口座に入金させた行為を詐欺罪に問うことも十分考えられます。警察は業務上横領容疑で逮捕予定、とのことですが、上記のような経緯で、勝手に開設した口座に入金させた金を、委託信任関係に基づき業務上占有するもの、と認定するのは、やや不自然のように思います。
ただ、この種の行為について、上記のようなスポンサーからは被害届がとれない場合があり、また、詐欺筋のものを横領で捉えられて文句を言う被疑者・被告人や弁護人もあまりいない(事実を認めている限り)ので、何となく横領でやってしまい、そのまま判決まで至る、という場合もないわけではありません。
この種の不祥事では、上記のように被害弁償を全面的に行っても、告訴状や被害届が捜査機関に出てしまえば、警察は当然動き、被害額の大きさから逮捕に至るということになりがちで、被疑者側としては、適切な弁護士を選任するなどして、早期に全面的な被害弁償を行うとともに、被害届等の提出を阻止する必要性があります(可能であれば、ですが)。以前、上記の記事にある事件よりも、さらに被害額が大きな不祥事で、不祥事を引き起こした側の代理人になって交渉し、被害弁償を全面的に行うなどして、何とか事件化に至らず終息できた時のことを思い出しました。