映画「それでもボクはやってない」で冤罪被告人を起訴してしまった副検事

冤罪を起訴してしまったわけですから、いわゆる「誤起訴」であり、捜査に臨む姿勢も見るに耐えないものがありましたね。
ただ、検察官の皆が皆、あのような人ばかり、というわけではありません。
日本の刑事裁判における有罪率の高さ、ということが、最近は、悪い方向で注目されていて、確かに、そのように指摘されるのも無理からぬところはありますが、捜査が徹底的に行われることで、起訴が慎重に行われ、無罪になる事件がごくわずかになっている、ということも、確かに言えると思います。
起訴、不起訴を決定するにあたり、検察官が裁判官のような立場に立って、収集した証拠(積極証拠及び消極証拠)を評価し、そこで、1度、裁判(裁判そのものではありませんが)を行っている、と言うと、わかりやすいでしょう。
上記の映画では、そういった良い意味でのフィルタリングに失敗しており、捜査の失敗、ということが言えると思います。
ただ、そのような判断は、刑事裁判を先取りする、という性格を色濃く持つものであり、刑事裁判における有罪のハードルが下がれば、それと連動して、検察庁における起訴のハードルも下がることになります。その意味で、裁判所が刑事裁判において示す判断やその中身は、検察庁における起訴、不起訴の判断にも大きく影響を与える、ということが言えると思います。