堀江被告公判 検察「高株価の恩恵で女性と旅行」

http://www.asahi.com/national/update/1117/TKY200611170362.html

被告人質問でのやりとりによると、前社長は05年7月、自分が保有するライブドア株の一部を売却し、70億円で投資ファンドホリエモン情熱ファンド」を設立。ジェット機の購入に約30億円、宇宙事業に約20億円を出資した。
検察側は、このジェット機で前社長が女性と私的な旅行をした点などを挙げ、「欲のために使っていた」と言及。前社長が「まったく違う」と怒り、「心がねじ曲がっている。悔い改めた方がいい」と検事を批判したため、裁判官が「余計な発言」と注意した。

検察官としては、被告人について、「私利私欲を図り、そのためには会社や株主など他者の損失も省みない自分勝手な人間」という印象を、裁判所に対して強く印象付けたかったのではないか、という気がします。こういった手法は、大きな成功をおさめることもあります。裁判史上、有名なのは、いわゆる「西山記者事件」でしょう。公務員からの情報収集の適否という問題が、男女間の秘められた情交関係という問題にすり替えられ、検察庁の一種の作戦勝ちのような形で有罪判決へと進んだ、とも言われています。
しかし、こういった手法は、「両刃の剣」のような側面があり、裁判所に、立証の底の浅さを見透かされることにつながるなど、思いがけないしっぺ返しを食らう危険性をはらんでいます。
上記のような被告人質問のやり取りで、検察庁、被告人のどちらが得点を稼いだかは、現時点では評価が難しいという気がします。