「供述転々」押尾の保釈申請に東京地検が“待った”

http://www.zakzak.co.jp/gei/200908/g2009082701_all.html

押尾被告は起訴内容を認めているが、供述を次々と変えていることや、一緒にMDMAを飲み、体調異変を起こして死亡した女性の携帯電話がマンション近くの植え込みから発見され、押尾被告が捨てた可能性が浮上。警視庁や東京地検は押尾被告の当時の行動について引き続き捜査を続けており、東京地検は押尾被告を保釈すべきではないという意見を出す方針だ。

弁護人が保釈請求をすると、裁判所から検察庁に対し、意見を求める手続がとられます。通常は書面で行われ、意見も書面で出されます。この手続があるので、東京のように裁判所や検察庁の規模が大きい場合、検察庁から意見が戻ってくるまで、保釈請求をした日を含め2、3日程度かかることが多いでしょう。
検察庁から意見が戻ると、弁護人が担当裁判官に面談する、ということもよく行われています。そこで、保釈請求書の内容を補足したり、保釈保証金について打ち合わせを行ったりします。
上記の記事にある事件の場合、保釈請求が出たのは26日であったようですから、28日金曜日に決定が出る、ということになれば、よほど手続が早く進んだ、ということになるでしょう。
なお、検察庁が意見を付す場合、大別して、「不相当」「しかるべく」という意見になるのが普通です。しかるべく、というのは、やや特殊な法律慣用語で、法廷で使われることもありますが、裁判所のご判断にお任せします、反対はしません、という消極的な意思表示、と言って良いでしょう。保釈に賛成するとか、出してあげてください、などといったことは言わないものです。
不相当意見でも、書き分けることで強い不相当意見か、そこまでではないか、ということを裁判所に示すこともあります。前者としては、「不相当であり却下すべき」などと書き、理由を詳しく述べる、ということが行なわれます。そういった表現が、裁判所が保釈を許可した場合、抗告(準抗告)しますよ、ということを暗に示すことになる場合もあります。そこまで強く反対しない場合、単に不相当として、簡潔に理由を述べておくことで、反対はするが保釈が許可になっても抗告(準抗告)まではしない、ということが裁判所にわかる場合もあります。
東京地検の意見がどういったものになるのかはよくわかりませんが、どちらかと言うと強めの反対意見にはなっていそうな気がします。

追記:

押尾 学被告麻薬取締法違反事件 保釈請求について、27日中の東京地裁の判断なし
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00161798.html

元検察官の落合洋司弁護士は「供述が変わっているということですよね。その場合に(保釈すると)、口裏を合わせて、自分の弁解に沿うような証拠をつくったり、何かを隠したりするかもしれないと」と話した。
また、落合弁護士は「薬物を使用した際に、一緒にいた人が死亡していたりということで、保釈に対して、慎重になるような要素が含まれている事件」と話した。

フジテレビの取材を受けて話したことが、サイトのほうでも出ていましたね。