http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051222-00000505-yom-soci
飯田喜信裁判長は「多数のダミー会社を介在させて隠ぺいをはかった巧妙、悪質な犯行で、食肉輸入会社の脱税行為を助長させた責任は重い」と述べ、罰金1000万円の求刑を超える罰金3000万円の異例の判決を言い渡した。
罰金1000万円の求刑で、判決が3000万円(3倍!)というのは、私が過去に見たり聞いたりした範囲内でもなかったですね。求刑が軽すぎたのか、判決が重すぎたのか、よくわかりませんが、伊藤ハムに対する裁判所の印象が極めて悪かったのは間違いないでしょう。
同社側が、差額関税制度の問題点が犯行の背景にあったと主張した点については、「自らも多大な利得を手にした被告会社には、制度の是非を論ずる資格などない」と批判した。
公判経過や証拠関係を見ていないので、あくまで一般論ですが、やったことを棚に上げて制度の批判などをすると、裁判所の逆鱗に触れ、かえって逆効果になる場合があるので、弁護方針を立てる上では注意が必要です。
刑事弁護の場合、争うときは思い切り争う一方で、頭を下げるときは思い切り下げ、気持ちよく認めることも必要です。
民事で、総花的な主張、立証をすることに慣れ切っている弁護士が、同様の感覚で刑事弁護をやり、「これも言っておこう」「あれも言っておこう」「言うだけ言っておこう」という感じで、刑事司法として受け入れがたいことを平気で言ってしまうと、思いがけないしっぺ返しを食う場合があります。
あくまで一般論です。