「日本大空襲「実行犯」の告白ーなぜ46万人は殺されたのか」

 

2017年にNHKBSで放映された番組が書籍化されたものですが、その番組を見た記憶があったので、最近出た本書を、早速、読んでみました。

私の認識では、日本空襲で、当初は精密爆撃の方針であった米軍が、結果がなかなか出ないため、途中から無差別爆撃に切り替え、東京大空襲をはじめとする蛮行を繰り返した、という、大雑把なものしかなかったのですが、本書を読み、その経緯が具体的によく理解できました。

よく、無差別爆撃について、カーチス・ルメイ将軍が槍玉にあげられますが、彼1人によるものではなく、元々、日米開戦前から米軍内に無差別爆撃の思想、計画が存在したことなど、本書では赤裸々に紹介されています。

無差別爆撃は、その過程で捕虜になった米兵に対する処刑、人体実験といった日本側の蛮行に発展し、戦後、関与者がBC級戦犯として処刑されるといったことにもつながりました。悲劇が悲劇を生むという連鎖に、戦争の酷さを感じさせるものがあります。