「自衛隊最高幹部が語る令和の国防」

 

 自衛隊の幕僚長等を務めた元幹部らによる対談で、興味を感じて読んでみました。

軍事面から見た、現在の日本が置かれた状況、他国による日本攻撃の可能性や予想される具体的態様、さらに、朝鮮半島有事や台湾有事の可能性やその日本への影響など、多角的に検討されていて、参考になるものでした。

そのような軍事的な危機に日本を陥らせないために、外交面での「ソフト・パワー」が今後、ますます重要になるでしょうし、外交と軍事を、車の両輪のように、うまく回しつつ国を導いていくことが、政治には強く求められていることを改めて痛感しました。

本書に登場する人物らは、日本が米国とべったりとした同盟関係を取り結んでいることに何の疑問も感じていないようですが、戦前、戦中の一大軍事大国であったドイツと同盟関係を持ったことで日本がどうなったか、特定の国と強い同盟関係を結べば別の国とは強い敵対関係に立ってしまうという当然の理(そうであるからこそ戦前の日本は米国と決定的に対立し開戦に追い込まれてしまった)への考慮、日本の今後の在り方も考えていくべき問題でしょう。