出たばかりの本ですが、前々からグリコ森永事件には興味を持ち、何冊か関連本を読んでいたこともあり、読書予定の本をすっ飛ばして、先にこれを通読しました。
時系列的、網羅的に事件を振り返るのではなく、警察が犯人に肉薄しつつ取り逃してしまった、その節目節目を関係者のインタビューに基づいて追っていく、という叙述の仕方で、警察が、都道府県警察の縦割り体制の中で緩慢な動きを繰り返し、犯人に翻弄される有様が具体的に語られていて、当時の捜査への残念さが改めて募るものがありました。
映画になった
は私も観ましたが、グリコ森永事件がかなり参考にされていて、映画や原作を機に、グリコ森永事件に興味を持った人も多いでしょう。日本犯罪史上に残る劇場型犯罪であり、それを知る上でも、参考になる1冊だと思いました。文章も読みやすくお勧めです。