映画「フロントランナー」

www.frontrunner-movie.jp

ゲイリー・ハートがアメリカ大統領選挙で彗星のように現れてブームを巻き起こし、スキャンダルで、一転、「疑惑の人」化して選挙戦から脱落した経緯は、当時、私も報道で見聞きして大いに関心を持ったものでした。この映画が公開されたことをたまたま知り、当時のことを思い出して観てきました。

(以下、ネタバレ注意)

映画は、ドキュメンタリータッチで淡々と進み、登場人物のリアルな言動を赤裸々に描いていきますが、やや平板で盛り上がりに欠けるように感じられました。政治家の女性スキャンダルに対して、当時は、人々が、まだ今ほどは敏感になっていなかった様子も描かれつつ、とはいえ、一旦火がつくと一気に燃え上がって「メディアスクラム」状態になる、その萌芽のようなものが感じられて興味深いものがありました。

ゲイリー・ハートが、強がったり逃げたりと、不信感を招く対応を繰り返しながら次第に追い詰められて行く、その描き方には容赦がないものがあって、作品の核心部分になっていたと思います。

私は、上記の通り、この件には当時から関心がありましたから、NHKのBSドキュメンタリーを観るような感覚でしっかりと鑑賞しましたし、観ることができて良かったと思いました。