「県警、弁護人接見を盗聴」=開示テープで発覚―袴田さん弁護団

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150413-00000111-jij-soci

弁護団によると、検察側は抗告審で、当時の取り調べが録音された48時間分のテープを新たに証拠開示した。その中に、逮捕から5日後の袴田さんが5分間、弁護人と接見する会話が含まれていたという。
弁護団は「接見の内容を警察に知られることのない権利の侵害で前代未聞、言語道断だ」と批判。他の接見も盗聴していた可能性が高いとして、さらなる証拠開示を求める。

私は、昭和62年から昭和63年まで、広島で司法修習をしていたのですが、その際に、ある弁護士から、「接見の際にした話でしかわかり得ないことを警察が知っていた。盗聴されていることは間違いないので、その後は接見の際に話をせず筆談で進めた。」という、その弁護士が別の弁護士から直接聞いた話を聞かされたことがありました。その後も、接見の際には盗聴されている可能性があるという話を、複数回、聞いたことがありました。
まさか、そんなことはないだろう、と半信半疑だったのですが、その後、ある地検に勤務していた際、殺人の疑いがある事件で余罪で逮捕、勾留された被疑者を自白させるため、ある警察署の留置場を、その被疑者だけの状態にして(他の被疑者、被告人がいない状態にして)、夜、突然、照明を消して真っ暗にして不気味な音楽を流したりしてプレッシャーをかけた、といった話を聞いて(聞いたのは確かな情報源)、あきれるとともに、捜査と留置は分離、と建前上はされていても、留置は捜査のためには何とでもなり得るのだな、ということを強く感じ、かつて聞いた盗聴の話が現実味のあるものとして感じられるようになりました。さすがに今はそのようなことはされていないだろうと思うのですが、少なくとも昭和の終わり頃までは、警察が切羽詰まって接見状況を盗聴する、ということが、絶無ではなく稀にではあってもあったのではないかと思います。そういう印象を持っていたので、袴田事件について、上記のような報道に接し、ああ、やっぱりな、と思いました。
これだけ捜査のでたらめさが露呈してくると、もう、この人を死刑にしてくれ、と頑張るのも限界を大きく超えている感が強いですね。